横浜こぼれ話は筆者の佐藤栄次が随筆や意見や考えを書いておりますので、一度見に来てください、

市販グループの課長になると、商社と付き合うことが多くなった。
理由はODA(政府開発援助)のビジネスがあるからだ。
商社は、この予算を使って、各国に援助プロジェクトをJICAに提案するのだ。
例えば、道路や水道や橋をつくるプロジェクト。また、学校や病院をつくるプロジェクトなど。
病院建設の場合、医療機器を納めなければならないから、島津製作所、東芝や日立などが選ばれる。
しかし、東芝は以前から後進国に高額機器を納めたくないという考えがあったため、商社は島津製作所に行ってしまう。
ところが、どうも私が市販グループの課長になると、後進国にCTを売り始めたことが商社間では噂になり、東芝にもODA案件を持って来るようになった。
そんなある日、三井物産の橋本課長が、スリランカで仕掛けている案件を持って来た。
一度、スリランカに一緒に行こうと言う。
この課長は、商社の課長としては、嘘やハッタリのない実直な人で、私とほぼ同じ歳であったこともあり、直ぐに彼の話に乗った。
スリランカはとても花が多く、気候も良く、大変気に入った国であった。仕事としてもうまくいった。
その後、別件で橋本課長は話を持って来た。
ロシア向けに数百台の超音波装置を納める話であった。
その案件で、実は三井物産の副社長が、東芝の副社長の小宮に会いたいと言うのだ。
そのため、ゴルフを一緒にどうですか?と言う。
私は小宮副社長と面識が無いので、私の上司の医用機器事業部長に話を持っていった。
すると、事業部長は話は小宮さんに通しておくから、お前が小宮さんに説明し、お前がゴルフに付き合えと言う。
後で分かったのだが、事業部長は自分が茶坊主のような役割をしたくないのだ。
結局、ゴルフは三井物産と東芝の副社長と橋本課長と私の4人でやることになった。
私は日頃から日本でゴルフはほとんどやらない。ただ、海外出張の時にやる程度。
ゴルフ場は千葉だった。
私は横浜を朝早く出て、車で行った。
目的のゴルフ場に着いて驚いた。ほとんど全部が黒塗りの車ばかり。
私は、早く着いたつもりだったが、既に三人は朝食を取っていた。
私は、会計をしようとしたら、ここでは全くそういった支払いのことはしないとゴルフ場のマネジャーが説明してくれた。
全て顔パスの世界なのだ。
副社長は、ありがとうとマネジャーに頭を下げるだけ。
ティーグランドに行って驚いた。キャディさんが二人。しかも、20代か30代前半の若いキャディさん。
副社長の二人は決して上手くは見えないが、それでも手慣れた打ち方をしていた。
飛距離は我々二人の方が跳ぶが、スコアは彼らの方が良かった。
フェアウェイを歩く時に、何やらビジネスの話をしているようだ。
その話は、樺太か極東ロシアの天然ガスの採掘とそれを日本に持って来るパイプラインのようだった。
テレビニュースで流れている話をこんなところでしていることにビックリした。
一見すると、ただのオッサン。しかし、只者ではない奴らだった。
ゴルフが終わり、風呂にでも入るかと思えば、そうではない。軽くビールで乾杯し、三井物産の親父が、それではあの件について、改めて相談したいと小宮の親父に言って、さりげなく別れた。

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