横浜こぼれ話は筆者の佐藤栄次が随筆や意見や考えを書いておりますので、一度見に来てください、

私がブラジルで超音波セミナーを実施してから、各国の代理店から、自分のところでも超音波セミナーをやりたいという要求が続出してきた。
私が経験したインドネシアのセミナーでの出来事を紹介しよう。
インドネシアに行ってもらったのは当時千葉大におられた木村先生。
セミナーの会場は歴史的に有名なバンドン会議か開かれたバンドンである。病院はDr. Hasan Sadikin Central General Hospital。
木村先生は当時の日本超音波学会で、肝臓・胆嚢・膵臓のトップクラスの存在だった。
木村先生は講義を1時間行い、その後、実際にその病院では診断不能の患者を超音波装置で診るのである。
患者はベッドに寝かされると、10分位で診断を下す。当然、聴衆の先生方には診断の根拠を説明する。
するとそこに集まった100人以上の先生から拍手が沸き起こる。
患者は次から次へとベッドに寝かされる。そして、診断。そして、拍手。
ところが、そこに、12歳の子供か連れて来られた。
この時は異常なまでに、会場が静まった。
この病院の先生達はこの子が如何に深刻な状態にあるかを知っていたからだった。
木村先生は、診断を告げた後、大きな注射器を持って来させ、お腹の中央に刺した。
何かを吸い出しているのだ。そして、その吸い出した物を高く掲げて、説明した。その瞬間、大歓声が上がり、そこにいた先生達は拍手しながら立ち上がった。
先生達は口々に、これは凄すぎると言ったように思えた。
その番、夕食後、私は先生に尋ねた。
今日の出来事について説明してもらった。
木村先生は私も実は文献でしか読んだことがなかったと言った。
すなわち、あれはアメーバ性肝膿瘍というもので、アメーバが肝臓の中に入って、肝臓を食ってしまう病気なのだそうだ。日本にはそんな患者は居ない。
そこで、その肝臓のチョコレート色の膿を吸い出せば、この病気は完治してしまうのだ。
注射器で吸い出した瞬間、あの子は助かったのだ。
とても、感動的な瞬間だったのです。私も興奮してしまいました、木村先生は言うのだ。
佐藤さん、こんなチャンスを与えてくれてありがとう、と改めて私にお礼を言うのが木村先生流なのだ。

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