餓鬼に三種あり

餓鬼

「餓鬼に三種あり」と仏教の論書「倶舎論(くしゃろん)」に書かれている。

餓鬼というのは六道輪廻(ろくどうりんね)の世界の一つ。
六道とは、天界・人間界・修羅界・畜生界・餓鬼界・地獄界である。

餓鬼とは餓鬼界に住む住人である。
生前に嫉妬深かったり、物惜しみしたり、貪欲であった者が陥る世界である。
この餓鬼界に落ちたものは、飲食物が得られない飢餓の苦しみを一万五千年に渡って受けるとされている。

その餓鬼にも三種あるというのだ。
まず、最初は「無罪餓鬼」。この餓鬼は何の財産も持たないから全裸である。何も食べることはできない。
次は「小材餓鬼」はボロ切れのようなものを着ている。そして、少しは食べることはできるが、残飯の類や糞尿の類である。

これら無財餓鬼や小財餓鬼は地下の餓鬼界に住んでいる。
ところが、第三の餓鬼である「多財餓鬼」は人間界や天界に住んでいる。
そして文字通り、多くの財貨を持っている。
大金持ちであり、立派な御殿に住んでいる。
こんな人が餓鬼?と不思議に思うかもしれないが、餓鬼とはもともと、自分が持っているもので我慢できない存在を言うのだ。

そんな生き方の人は、ガツガツ金を貯め、ガツガツと人の物を自分のものにする。満足というものを感じる暇はない。そのため、人からは下げすまされ、憎まれる存在となるのだ。

だからこそ、彼らの存在は畜生以下の存在なのだ。