石は沈み、油は浮く

自業自得

釈迦の所に一人の男が来て、こんな質問をした。

「バラモンたちが言うには、俺たちがご祈祷すれば、死者は天界に生まれ変われる。本当だろうか?」 、と。
バラモンとはインドのバラモン教の僧侶である。

その質問に、釈迦は直接答えず、逆にその男に質問をした。
「大きな石を池に投げ込み、”石よ浮かべ、石よ浮かべ”とご祈祷すれば、石は浮かぶだろうか?」
また、
「油を池に投げ入れて、”油よ沈め、油よ沈め”とご祈祷すれば沈むだろうか?」 と聞いたのだ。
当然、ノーである。

そこで、釈迦はその男の質問に対して説明を始めた。
「生前に悪業を積み重ねた者は、死後、地獄に落ちる。逆に、生前に善業を積み重ねた者は死後に天界に生まれ変わる。ご祈祷によって生まれるわけではない。」

自業自得という言葉がある。
業とは「行為」のことであり、我々が何かの行為をすれば、それが原因になって次の行為がある。
小さな嘘をつけば、それを糊塗するために別の嘘をつかねばならない。
人を殴れば、それが別の形で、自分に返ってくる。
そのように一つの行為が別の行為を生み出す力のことも”業”と呼ぶ。

我々は、自分の行為(自業)の責任を取らなければならない。
逃げようとして逃げられるものではない。