三界は火宅なり


ある所に大長者の広大な邸があった。

そこに建ててから年数が経っている家があった。
その家はあちこちが腐り朽ちかけていた。
その中には、蛇、トカゲ、ムカデ 、など様々な生き物が住み着いていた。

そして、この家に火がついた。

あっという間に火の海となり、もはや、消火のしようもない。
にも関わらず、子供達は家の中で遊びに夢中になっている 。
その子供達こそ、我々凡夫を象徴している。

これが「三界火宅」である。

三界とは、簡単に言えば、我々凡夫が輪廻転生を続ける世界である。
そこは燃え盛る火の世界であるのに、馬鹿な我々はそれには全く気付いていない。

その様を見た主人はあわてた。主人とは仏陀のことである。

この大邸宅には門が一つしかない。すなわち、仏道一筋によってしか、この火宅から脱出できないということを言っている。

仏陀は、子供たちに呼びかける。
「早く出ておいで!外には鹿の車、山羊の車、牛の車がある。出て来たものには好きな車をあげるから」、と。

鹿の車、山羊の車は、いずれも小乗仏教の教え。つまり、安物だ。
牛の車は大乗仏教。