探偵ごっこ

佐倉さんは栃木にお住まい。

毎年、夏には鮎だの土地の名産を送ってきてくれる。
だから、こっちも、何か珍しいものがあったら送る。
今年の冬、家内が何かお歳暮を探していたら、デパートの一角においしそうな肉マンがあった。
この肉まんは実に大きく、中身も色々な種類があり、魅力的だったという。

どうも、東京の五反田の老舗の肉万だとか。

いっせいに全国に配送したものだから、昨夜はそのお礼の電話でてんてこ舞い。

しかし、電話の向こうから聞こえてくる言葉は懐かしく、温かく、チョッと涙が出そうなやり取りもあった。


今朝、栃木の佐倉さんが電話をしてきた。
「どうも、ありがとう。今孫達が来ているんです。今、孫たちは探偵ごっこをしているの?」

「そして、私たちは犯人の疑いが掛けられているの」

「どうも、この家の中に、ジュースを飲んだ犯人がいるらしい。」

「その犯人が誰かを3人の探偵が探しているの」

「どのようにして見つけるの?って聞いたら、しばらく、腕組みをして考えていました。」

「すると、一人の孫が、『そうだ、口にジュースの臭いが残っているはずだ。ジュースの臭いがした人が犯人だ。』と言いはじめた。」

「今から3人の探偵が私たちの口の臭いをかぎに来るの。」

「私、恥ずかしくって。だって、朝食べた、納豆の臭いがすると、みんなに何と言われるか解らないもの。」

と言って、佐倉さんは嬉しそうに笑っていたという。

そして、佐倉さんは言う。

「うまく、犯人を見つけ出したら、頂いた肉まんをご馳走しようと思っている。本当にありがとう。」

年末の微笑ましい光景を電話で聞き、嬉しく思った。