見送り

2014年01月13日

井戸端会議の有田さんから。

今日のテーマは宝塚歌劇団。

早速、かの有名な有田さんが口火を切る。
私、若いときは、宝塚のことはあまり、興味がなかったの。
おばさんたちが、追っかけをやっているのを見て、バカじゃあないの、って思っていたほど。

ところが、私の友達が宝塚の話をしてから、少しずつ、興味を持ち始めたの。

そのうちに、私も宝塚のとりこになり、追っかけもやるようになってしまった。
あの舞台を見たら、追っかけにならない方が変だよね。

・・・・・?

追っかけをやり始めると、色々な芸能人の追っかけをやってしまうのね?

そんなある日のこと、私の上司の転勤が決まり、羽田からお見送りをすることになった。

見送りには若い女の子がみんな駆り出された。

人数から言って、20人くらいいたのではないだろうか。

早めに羽田に行って、待っていたが、なかなかその上司は現れない。

そんな時、私の後ろの方でなにやらざわめきが起こった。

私は、何が起こったのかなと、その方を見てみると若い女の子の集団が動いていて、キャーッという叫びが聞こえる。

耳をそばだてていると、「ヒカルゲンジ」という声が聞こえてきた。

私は、周りの女の子に、「ヒカルゲンジだって!」と言い、走り始めた。

すると、10人以上の女の子も私について来た。

私が行くと、かすかにヒカルゲンジの後姿を見ることができた。

友達と一緒に、「良かったね、良かったね」と手を握り合って喜んだ。



ところが、ふと我に返った。

「そうだ、お見送りが!」



私たちは元の場所に戻った。

しかし、その時にはすでに、見送りの儀式は済んでいて、転勤の上司は搭乗してしまっていた。

僅かな時間だったのにと思っていたが、多分、20分くらいはヒカルゲンジを追っかけていたのだろう。


その日、会社に戻り、上司に謝った。

こっぴどく怒られたのは当然。

しかし、頭の中では、ヒカリゲンジ、ヒカルゲンジと唱えており。

何も怖くはなかった。

これは、ヒカルゲンジの魔力ね。