自分は迷惑をかけていない

2014年01月13日

あなたがこけたら、私もこける

「自分は他人に迷惑をかけていない」、と言い張っている年寄りはいないだろうか?


たとえ話その一。
目の不自由な客が訪ねてきた。
家を辞去しようとした時、
「夜道ですから提灯をお持ちなさい」、と主が言った。
その友人は、むっとして、
「目の不自由な私にとって、どうして提灯がいるのですか? からかわないで下さい。」
主はこういった。
「あなたには提灯が要らないかもしれないが、人があなたにぶつかるかも知れませんよ。」
こう言われた客は、はっと自分の思慮のないことに気が付いた。

こんなことは日常でよくある話。
たとえ話その二。


団体旅行をしていて雨に降られてしまった。傘の用意をしていなかった自分は傘を差さずにそのまま歩いて行った。
ところが、私を見ていたご夫婦は、
「どうか使って下さい」、と言って一本の傘を渡しに貸してくれた。
二人は私のために一本の傘で歩く羽目になってしまった。

我々はよく聞く言葉がある。
「俺の体だから、俺がどうしたって勝手じゃあないか!」


一見、理にかなっていそうだが、決してそうではない。
団体で海外旅行すると実感するが、仲間の誰かが病気になると、その旅行が楽しくなくなってしまう。
一人の健康・不健康が全員の楽しみを奪ってしまうのだ。

団体旅行に限らず、家庭でも職場でも同じこと。


我々の住んでいる所は、実は”運命共同体”なのである。
仏教の言葉でいえば、
---ご縁の世界---
なのだ。