横浜こぼれ話は筆者の佐藤栄次が随筆や意見や考えを書いておりますので、一度見に来てください、

梅雨空の下、両国の国歌斉唱・アピールランに続いて、14時38分ドローが開始された。
先にドローを取ったのは、米・西海岸学生選抜(以下WCF)。
#34Katiは、グラウンドボールを制した後、1対1の攻撃を仕掛けるが、
U20東海選抜の#55鬼頭が的確なポジショニングとフットワークで完璧に封じる。

それをきっかけに起こったルーズボールを、#11部田が果敢に奪い取り、
U20東海選抜は素早いフォローからコート中盤をパスで繋ぎ、
#54鈴木がゴール横から突破を図り、得点を挙げる。

U20東海選抜が試合開始から1分16秒で先制点を挙げ、会場が大歓声に包まれた。
この1分16秒のプレーを見るだけでも、守備から得点までのU20東海選抜のスタイルを感じ取ることができる。
1点追いつきたいWCFは、#34Katiからパスを回し、#10Jillianが仕掛けるが惜しくもシュートには繋がらず。
#10Jillianの巧みなスティックワークと、フィジカルの強さに会場が沸く。
WCFのゴールへの強い意思が感じられる。

それに対し、U20東海選抜もマンツーマンディフェンスをベースとした積極的な守備で対抗する。
3分54秒、ターンオーバーから一瞬できたディフェンスとの間合いを利用して、
#15Maddieが1対1から同点シュートをゴール右隅に決める。

U20東海選抜は、この失点を機に、1対1の守備において今まで以上にボールマンへの間合いを詰めて、
激しいプレッシャーをかけながらディフェンスを始める。

このスタイルは体力を非常に要するが、1試合通してU20東海選抜がそれを続けられるかどうかが勝負の鍵となるであろう。
同点に追いつかれたU20東海選抜は、#4近藤がドロー後のグラウンドボールを制し、パス展開し、
ゴール左横でパスを受けた#2西部がDFを避け2点目を決める。

その直後にもライドからボールを奪ったU20東海選抜が、#11部田から#16阿部に繋ぎ、
阿部が上手く相手をかわしてシュートを決める。
WCFは、早くもタイムアウトを取り対応を図る。

U20東海選抜は、パスを効果的に利用し、相手を引き出し、空いたスペースを利用して得点を重ねている。
2点リードされているWCFはなんとしてでも追いつきたいが、U20東海選抜G小出が好セーブを連発。

小出からの正確なパスを起点に、#16阿部がディフェンスを2人寄せて、
#51中村がディフェンスの背後に入り込み、ゴール上にシュートを決める。

しかし、この数分後、WCF#34Katiが2点目を決める。

U20東海選抜は、即座に反撃する。
ゴール裏の#51中村が、相手の背後からカットインした#22市川へパスを出し、市川は見事にゴールを決める。

ここからWCFが怒涛の攻撃を見せる。
途中出場のG#44井上もナイスセーブを連発するが、
ドローの直後にパスを受けた#10Jillianは、そのままゴールへ走りシュートを決める。

この得点から流れが変わり、WCF#34Katiがシュートを決め、その後の#10Jillianによるフリーショットも得点になる。
WCFが瞬く間に5-5の同点に追いつく。
日米の選手による真剣勝負に会場がどよめく。

次の1点をWCFが取れば、完全に流れは傾くと思われたが、
U20東海選抜は#4近藤、#5鈴木、#41位田を中心にドローを確実に獲得し、流れを取り戻す。

#16阿部がゴール左上から1対1で切れ込み、シュートを決める。
これに続くかのように、#69壁谷、#2西部も点を決め、8-5でU20東海選抜がリードして前半を終える。

後半もU20東海選抜の体力は衰えない。
厳しいフィジカルトレーニングを積んできた成果が見て取れる。
特にボールより後ろからの複数の選手のフリーランニングは見事である。

コート中盤ではパスを細かく繋ぎ、ゴール前では1対1とカットインを織り交ぜたU20東海選抜の連続攻撃にWCFは苦しむ。

後半開始から2分、#11部田がスピードに乗った突破から左でシュートを決める。

さらに、その直後にも、ゴール裏をまわった#36石黒からのパスを、
カットインした#11部田が落ち着いて決めて、後半2点目を挙げる。

ここから両者とも引かない闘いが続く。
ここでWCF#10Jillianが独走して、WCFにとって後半1点目を決める。

急に雨風が強まる中、U20東海選抜はライドから#10吉田が奪ったボールを、
#96佐藤に繋ぎショットが決まる。

次の1点が大きく試合に影響する。
激しい攻防の中、U20東海選抜#11部田が中央から仕掛け、WCFがボールウォッチャーになった隙をついて、
#96佐藤がゴール前に入り込むと、部田のアシストにより#96佐藤がバウンドシュートを決める。

#11部田に関しては、WCF#10Jillianが試合後のインタビューで
「スピードがあり、素晴らしい選手」と絶賛している。

その後、U20東海選抜はファールにより2分間1人少ない状況となるが、
それでもハードワークなディフェンスを続け守りきる。
そして遂に試合終了。12-7。ラクロス歴1年のU20東海選抜が外国人から勝利をもぎ取った。

U20東海選抜は、1試合を通してボールマンへの寄せが早く、1対1で相手をコントロールし続けた。

またドローやグラウンドボールといったルーズボール局面を制して試合を支配した。
フィジカル力が落ちることも無く、攻守両面に渡って、ボールが無いところでの選手の動きや走りが非常に良かった。
選手個々の1年間の努力と、地区をあげて注力した新人育成が結実したゲームであった。
観客として観に来ていたラクロスプレーヤーにとっても非常に価値を感じるゲームとなった。

試合後、両チームが健闘を讃え合う背後には、とてもきれいな虹がかかった。

女子試合 : West Coast Force(米・西海岸学生選抜) vs U20東海選抜
日時:2010年6月19日(土) 14:30試合開始
場所:愛知・半田運動公園陸上競技場