横浜こぼれ話は筆者の佐藤栄次が随筆や意見や考えを書いておりますので、一度見に来てください、

私の友人に寿保さんという方が居られる。

もう、 70 歳に近い方である。

寿保さんは 2 年前から、シャンソン歌手の丹野玲奈先生に師事し、一年目の昨年から銀座 8 丁目の”月の子猫”でリサイタルを始めた。

昨年は、私どもは、残念ながら移転と重なり行けなかった。

今回は楽しみに出かけた。

娘も来てくれた。

妻は、寿保さんのリサイタルで受け付けを頼まれていたため、忙しそうにしていた。

日曜日の銀座は予想以上に人は少ない。

地下にあるライブハウスは閑散としていた。

だが、開場の 1 時前にはぞろぞろと集まってきた。

1 時半より 10 分遅れ、リサイタルは始まった。

寿保さんは歳を感じさえないくらい若く見えた。。

数えてみたら 23 人のお客。

約 12 ~ 3 曲を歌い終わると、寿保さんのリサイタルは終了。

大きな拍手とともに、寿保さんはお客さんに握手して回った。

お客の中には日田市の同級生もいた。

20 分の休憩が終わり、丹野先生の歌が始まった。

寿保さんには悪いが、流石にプロの歌は違う。

先生は 10 曲あたりを一気に歌いこんだ。

そのうちの一曲を聞いていたら、なぜか、私の父のことを思い出し、不思議に涙が出てきた。

父は既に死んで 30 年近くになる。

こんな形で父が現れるとは思えなかった。

一通り、丹野先生の歌が終わると、その素晴らしい歌にアンコールが起きた。

そのアンコールの一曲に、「水にながして」があった。

この曲は、昨年の丹野先生のコンサートでも、今年もコンサートでも聞いた。

しかし、

昨日の曲は特別に違って聞こえた。

力強く、聞こえてくる歌声は、すべてのことを水に流して、再出発するぞという強い意志を感じた。

コンサート終了後、丹野先生と話す機会があったので、先生のこの曲は素晴らしい。

勇気をもらえた気がすると、自分の気持ちを伝えた。

家内は、そとで、受付をしていたので私と丹野先生の会話など聞いてはいない。

しかし、帰りの電車の中で、家内が、「あの水に流しての曲は良かった。勇気をもらえた気がする」と言ったのにはびっくりした。

夫婦して、この曲の素晴らしさを感じることが出来たのだ。