ある時、水野は私に競輪の話を持ち掛けた。こうしたら絶対に儲かるから、やってみたら? 私も興味本意で言われた通りに競輪というものを実験的にやってみた。 確かに当たる確率は56%で、私の想像よりも遥かに高い確率で当たった。しかし、全て予想通り、 …

ある時、水野は私に競輪の話を持ち掛けた。こうしたら絶対に儲かるから、やってみたら? 私も興味本意で言われた通りに競輪というものを実験的にやってみた。 確かに当たる確率は56%で、私の想像よりも遥かに高い確率で当たった。しかし、全て予想通り、 …
これは画期的レポートです。何故ならば、今進行中の出来事をそのまま報告するからです。そのため、主人公は仮名の水野とさせていただきます。また、勤務先を出せば色々問題があるため、伏せておきます。当面、この物語と勤務先は関係ありません。 私は水野の …
既に書いたように、東芝に入社する前は大学で生きることの意味を真面目に考えていた。そこに、大学内紛争が起き、全共闘運動の中で、私は本当に行き場を失ってしまった。そんな時に見つけた本が、高橋和巳の“憂鬱なる党派”や“日本の悪霊”の本に巡り合った …
DR白壁彦夫の名前をご存知であろうか? ご存知ない? それでは、胃X線二重造影法という言葉は? 一般的には聞いたことはないでしょう? それでは、胃のレントゲン写真で、立体的な写真は見たことはありませんか? では、バリウムを飲んでレントゲン写 …
1992年、日本のバブル経済が弾け、隔月発行される東芝社報には多数の退職者が載るようになってきた。しかも、その数が毎回増えていった。 毎月、課長や部長は大会議室に集められ、第二の人生は真剣に自分で考えるようにと言われていた。会社としては、今 …
人生とは何が起きるか分からない、と思う。 増井が、孫仁を社長にしようと考えた時、私はもうお終いだと思った。 腐り切った山東社を替えて、サンジャパンと共にゼロからスタートすることを真剣に考えていた私は、本当にもう駄目だと思った。 しかし、増井 …