激動の昭和の時代に、九州の一人の男が、山に生きる

新家(私の生家)

新家(私の生家)

 新家は敷地二五〇坪の中に、四季折々の果物が、毎年豊富に実った。  柿、桃、枇杷、ざぼん、みかん、山桃、柚子、なつめなど、田舎で見かける果物は殆どあり、どれも自分の家だけでは、食べ切れなかった。特に、金柑子は、大きな樹が八本、屋敷の周りに一 …

あらすじ

あらすじ

私の七十六年の生の記録をまとめてみた。 私の一生は、起伏の激しかった夫によって左右された、転変の歩みである。  夫は山に魅せられ、木材に生きた人である。死の際も、アラスカの原始林を幻覚に見ていたほどである。  事業欲が人一倍強く、絶えず何か …