肉屋の言葉

2014年01月13日

以心伝心

中国は唐の時代の禅僧に、盤山宝積(ばんざんほうしゃく)という人がいた。

ある日、盤山和尚が肉屋の前を通りかかった時、一人の客が猪の肉を買おうとしていた。
「おやじ、上等の肉を切ってくれ・・・」
と客が注文した。
すると、肉屋のおやじはこんな啖呵を切った。

「旦那、うちの肉に、よくない肉があるとでも言うんですか?!」

この言葉をで、通りすがりの盤山和尚がはっと 悟ったと言う。

一体、盤山和尚は何を悟ったのであろうか?

この盤山和尚は、我々が「良い肉、悪い肉」と事物を差別してとらえる、その考え方をやめるべきだと悟ったのだ。

我々は、この差別する行為が、いつの間にか人間にまで良い子、悪い子、普通の子といった差別をしてしまうのだ。
どの子も、どんな人間も、すべては「仏の子」であるのに。