横浜こぼれ話は筆者の佐藤栄次が随筆や意見や考えを書いておりますので、一度見に来てください、

私が初めてブラジルに行ったのはブラジル担当をして、ニ年後のことである。
たまたま、その年の四月、元江商の人が部長として我が部に入ってきた。江商と兼松と合併した際に多くの江商の優秀な人が東芝に入って来たと言う。
東芝は、私の時も、入社社員数の9割以上が理系。だから、商社の人の経験はとても必要なのだ。
ある人の葬儀の帰り、その新しい部長は我々若手の4〜5人に声をかけてきて、ちょっと、お茶でも飲んで行かないかと言う。
我々は快諾した。
その部長は、何とか売上を増やしたいと考えていたのだが、医療機器の世界は普通のビジネスとは違うのだ。
この質問を課長や主任にしたらしいが、期待した答えは返って来なかったらしい。
そこで、20代の我々に聞きたいと思ったのであろう。
「どうしたら、今の売上を2倍から3倍にふやせるだろうか?」
そう単刀直入に聞かれたみんなは、首をひねって、答えられない。そんな時、私は、こう言った。
「そりゃあ、無理ですよ。」
部長は、私に向かって、
「なぜ、無理なんだ?佐藤君」
私は直ぐに返した。
「ここにいる連中は、まだ、海外出張をしたことがないんですよ。海外事情が分かり、代理店の生の声を聞けたら、売上を2倍3倍にする提案をしますよ。」
部長は、
「うん、分かった。君らを海外出張させるから、真剣に売上を増やす案を教えてくれ。」
と言った。

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