昨日、NHKの特集を見ていて驚いた。
人間とチンパンジーはどこが違うのかを研究していた。
チンパンジーの実験で、次のようなことをした。
別々の檻にチンパンジーを一匹ずつ入れる。
その檻は透明で、その境には窓がついている。
一方の折りの前には1メートルくらい離して餌を置く。餌は手で取れないところにおいてある。
別の折りには1メートルくらいの棒が入っている。
そのチンパンジーはその棒に気が付き、その棒を貸してくれという。
隣のチンパンジーは、その内容が解り、棒を貸してやる。
そしてチンパンジーは餌をとることに成功する。そしてその餌を自分一人で食べる。
翌日、同じ実験をするが、過程も結果も同じ。一回だけでは学習効果はないのであろう。
専門家は言う。この実験から、チンパンジーは進んで自分から棒を渡さないことが解るのだ。
この点が違うのだそうだ。
即ち、状況を考え進んで協力することは人間にしかできない。
つい最近、南アフリカのケープタウンから東に300Km行ったところに洞窟があり、そこで、化粧をしたと思われる石と貝殻で作った首飾りが発見されたというのだ。
調べてみると数万年前の物らしい。アフリカの部族の文化を調べてみると、特に首飾りの意味は部族間の結束を強める物だという。
結婚したら、母親は嫁さんに首飾りをプレゼントをするのだそうだ。また、生まれた子供にも首飾りを送るのだそうだ。
生き残ってきた部族はこの結束が強かったのだ。
協力関係の薄い部族は、他の部族との争いに負ける。また、自然との闘いに負けるのだそうな。
最近、世界的レベルで実験したことがある。
一人一人を読んで、ここに1000ドルがある。この1000ドルを自分で総てとってもいいが、他人に分けてもいい。はたして、自分はいくら取って、他人にいくら渡すか?
世界の平均は530ドルを自分が取って、残りの470ドルを人に渡すという。
日本人の場合、560ドルを自分が取るそうだ。これは実におもしろい結果である。
我々の意識の中には、人と共有しなければならないという意識が植え付けられているのである。
もう一つの極めて面白いデータ-をNHKは紹介してくれた。
アメリカで両親に捨てられた子供達を育てていると、成人までに3割もの子供が死ぬという。
この原因はハッキリ分からないが、脳の免疫作用に親の愛情、あるいは、親とのコミュニケーションが影響しているのだという。
数年前、アメリカの軍がイラクのある村に入ったら、村の人々から強い抵抗を受けたという。そこで、アメリカの隊長は、兵隊に微笑め、笑えと指示したという。そこで、局面が打開され、イラク人は喜んでアメリカ軍を受け入れたという。