横浜こぼれ話は筆者の佐藤栄次が随筆や意見や考えを書いておりますので、一度見に来てください、

自業自得

釈迦の所に一人の男が来て、こんな質問をした。

「バラモンたちが言うには、俺たちがご祈祷すれば、死者は天界に生まれ変われる。本当だろうか?」 、と。
バラモンとはインドのバラモン教の僧侶である。

その質問に、釈迦は直接答えず、逆にその男に質問をした。
「大きな石を池に投げ込み、”石よ浮かべ、石よ浮かべ”とご祈祷すれば、石は浮かぶだろうか?」
また、
「油を池に投げ入れて、”油よ沈め、油よ沈め”とご祈祷すれば沈むだろうか?」 と聞いたのだ。
当然、ノーである。

そこで、釈迦はその男の質問に対して説明を始めた。
「生前に悪業を積み重ねた者は、死後、地獄に落ちる。逆に、生前に善業を積み重ねた者は死後に天界に生まれ変わる。ご祈祷によって生まれるわけではない。」

自業自得という言葉がある。
業とは「行為」のことであり、我々が何かの行為をすれば、それが原因になって次の行為がある。
小さな嘘をつけば、それを糊塗するために別の嘘をつかねばならない。
人を殴れば、それが別の形で、自分に返ってくる。
そのように一つの行為が別の行為を生み出す力のことも”業”と呼ぶ。

我々は、自分の行為(自業)の責任を取らなければならない。
逃げようとして逃げられるものではない。