日本では2012年に肝臓がんで亡くなった人は3万690人で、肺がん、胃がん、大腸がんに次いで多い。
一歩手前の肝硬変を含めると、C型肝炎が原因の8割を占めている。
ウイルスが発見された1989年以降の治療の進歩は目まぐるしい。
日本では1992年に認可されたインターフェロン注射で患者さんの3割が治るようになり、2004年に抗ウイルス薬リバビリンの併用で5割になった。
さらに2013年、ウイルスが増えるための酵素の働きを邪魔するプロテアーゼ阻害剤シメプレビルが認可された。
この3剤併用治療で何と治る率が9割になったというのだ。
日本肝臓学会は2013年11月、「C型肝炎治療ガイドライン」を更新した。
基本的には、C型肝炎とわかれば週1回外来でペグインターフェロン(ペグは分解されにくく加工したもの)の皮下注射を受ける。
同時に毎日リバビリンとシメプレビルを飲む。
ペグインターフェロンとリバビリンは原則24週間、シメプレビルは原則12週間続ける。
3剤併用療法で9割は血液中にウイルスが見つからなくなった。
再発率はきわめて少なく、事実上、治ったと見られる。
また、従来の治療で治らなかった患者さんも新たに3剤併用療法をしたところ、5割が治ったという。シメプレビルの耐性ウイルスは欧米では報告があるが、日本では見つかっていない。