横浜こぼれ話は筆者の佐藤栄次が随筆や意見や考えを書いておりますので、一度見に来てください、

私の親父が死んで、はや35年にもなろうか。
そう、日本の景気がよく、バブル経済が始まるその頃である。 国鉄、今で言うJRの職員であった。
国鉄でも機関車を担当する機関区に勤めていた。
だから、職場は菜葉服と言っていた作業服で一日、煤にまみれて真っ黒で働いていたようだった。
と言っても、当時は私は小学生。


本当のところ、親父の仕事そのものは全くわからなかった。
その親父も私が中学2年の時に退職を迎えた。
機関区長という肩書きで退職したせいか、退職したら、間も無く、山口県の田舎町の町長選に是非出てくれ、と多くの人が家にやって来たことを子供ながらに覚えている。
「あんたが出ると必ず当選するから・・・」と誘いを受けたようだ。

しかし、親父はガンと突っぱねた。 「俺は政治家は好かん!」と言って。

どうも、親父から昔話を聞くと、若い頃には政治に関心を持っていたようで、しばらく、共産党の主催する集会にも参加していたようだ。
それも当然のことだろう。親父の若い時は戦争の真っ最中。反戦の機運は高まると同時に、”赤狩り”といった政治活動家を片っ端から捕まえていた時代である。

戦争で死ぬか、反戦活動家で獄に入るかといった時代である。

そんなことを聞いていた私は、どうして、親父は町長選に出ないのかと疑問に思っていた。
しかし、その時は親父に何も聞かなかった。いや、聞けなかったと言うのが本当である。

そのうち、私も成人して、少しは世間というものが解ってきたとき、やはり、親父の性格からして、親父が町長選には出なかった理由が少し見えてきた。

その理由の第一は、政治家は豹変するということである。昨日行ったことを、今日は簡単に勝手な理由をつけて変えてしまうのだ。

第二は、金が動くということ。
金で振り回されることに我慢ができなかったのであろう。

安倍内閣のここ数年の横暴なやり方を見てもよく分かる。
経団連からの要求か、アメリカのトランプ大統領の脅しかどうかは知らんが、国民の本当の幸せを考えて政治をやっているとは到底思えない。
この法案を通せば、自分の懐に何がしかの物が入るかどうか知らんが、よくも節操もなくやるものだと呆れてしまう。
時に、日産のゴーンが私欲の為、捕まった。
これも長期間、誰も楯突くものがなくなって、結局は墓穴を掘ってしまった。
安倍内閣に言われ、節操もなく、自民党の議員が、国民の思いとは別に、国会で横暴を極めている。

昨夜の入国管理法改正案を審議もまともにせず、具体的な改正案も提示せず、来月の臨時国会会期末までに法案成立させる為、一気に多数決でやっつける。こんなことで、来年4月からこの改正案でさあ、日本に働きに来て下さいと言って、一体誰が来るというのか?

自民党にもこの改正案は無茶だというものもいると言うが、声が小さい。

だから、俺は政治家が好かん!と今の私も主張する。