マレーシアの事情・・・安定した成長を記録
マレーシアは1971年から1990年代後半にかけて、
原材料の生産から電化製品を中心とする輸出型経済成長へ転換する事に成功しました。
一方でマレーシアは世界経済の停滞や2001年から2002年にかけておきたIT不振による影響を大きく受けることになりました。
さらに2003年には前半にSARS問題やイラク戦争といった経済への懸念材料があったのにも関わらず、経済成長率は4.9%を保ちました。
2004年には7%、2005年は5%というように安定した成長を記録しています。
天然資源の貿易
また、マレーシアは原油や天然ガスの主要な輸出国でもあります。
世界のガソリンやディーゼル油の価格の上昇が、国内において高いインフレーション原因となる
天然資源への政府の補助金を減少させるきっかけになりましたが、
他国との天然資源の貿易においてその利益は拡大しています。
アジア通貨危機を乗り切る通貨管理政策の一環で、1998年9月2日に固定相場制へ移行した事に伴い、
RM3.80=USドル1.00の交換レートとなっていましたが、
2005年7月21日に通貨バスケット制による管理変動相場制に移行を発表、翌日より実施されました。
第10次マレーシア計画の概要
2010年6月10日、ナジブ・ラザク首相は、国家開発計画「第10次マレーシア計画」(10MP、対象期間:2011?15年)の
概要を発表、向こう5年で2,300億リンギの開発予算を割り当てると発表した。
2,000億リンギだった第9次計画(9MP)での開発予算規模を上回る額となる。
一方、注目されていたブミプトラ(マレー人および先住民族の総称)権益については、
30%とする従来の目標を維持、様々なブミプトラ支援策が盛り込まれた。
年6%の経済成長の達成を目指し、9MPで達成した一人当たりの年間所得2万6,420リンギ(8,260米ドル)を
3万8,850リンギ(1万2,140米ドル)に引き上げ、高所得社会の実現、
2020年までに先進国入りを目指す「ビジョン2020」への道筋を付ける。
人材開発などソフト・インフラ充実に注力
開発予算2,300億リンギのうち、
55%を経済セクター、
30%を社会セクター、
10%を治安、
5%を総務関連にそれぞれ割り当てる。
人材開発などソフト・インフラ充実に注力、9MPでの21.8%だった割り当て比率を40%に拡大する。
同時に、2009年度に7%まで拡大した対国内総生産(GDP)比の財政赤字幅を
2015年までに2.8%に縮小することを目指す。
GDPの52.9%に達している債務比率を2015年までに49.9%に引き下げる方針。
これに向け、年間183億リンギに達している政府補助金を157億リンギに縮小する。
「大クアラルンプール(KL)」建設
高所得社会の実現を目指す中で、12の国家主要経済領域(NKEA)に注力する。
その一つである「大クアラルンプール(KL)」建設は、
KLを世界的大都市として経済発展の牽引役を担わせる構想。
KLの公共交通機関の利便性改善に向け、大量高速輸送(MRT)システムの実現を進め、
2015年には公共交通機関の利用率を現在の12%から30%に引き上げる。
MRT構想では、半径20キロメートルの範囲をカバーし、総延長は150キロメートル、
1日に200万人が利用するようになる見通しだ。
公共交通機関の充実に関しては、ジョホール州南部のイスカンダル地区でもバス高速輸送システムの導入実現を図っていく。
石油・天然ガスについては、GDPの20%
他の11の領域は
▽石油・天然ガス
▽パーム油及び関連商品
▽金融サービス
▽卸売・小売
▽観光
▽情報通信技術(ICT)
▽教育サービス
▽電気・電子
▽ビジネス・サービス
▽民間医療
▽農業
筆頭の石油・天然ガスについては、経済企画局(EPU)がリポートの中で、
2015年にはGDPの20%に貢献するまでの成長が見込まれるとしている。
NKEAの詳細は10月に発表する経済改革プログラムに取りまとめる。
経済改革局(ETU)を新たに設立し、NKEAの計画策定、推進を監督させる。
健全な経済競争を推進する狙いから
競争法の立法化と伴い、競争委員会及びアピール法廷を新たに設置する。
190万人に達しているとみられる外国人労働者問題については、
高付加価値経済への移行の妨げになっているとの観点から
引き続き削減を目指し、企業単位での外国人労働者の占める
比率やスキル・レベルに応じて人頭税率を変えるなどする制度を導入。
非熟練労働者の雇用にはより高い人頭税率を適用するほか、
同税率を徐々に引き上げていく。
その一方で、熟練技術者の誘致を進める狙いから、
人材が不足しているセクターを特定し、誘致を図るための組織を設立する。
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