ショッピングセンターには暮れも正月もない。よって、警備員にもそんなものはないのだ。
しかし、今は昔と違い、警備員にそんな忠誠心などありはしない。暮れと正月の出勤スケジュールをみんなから集めるが、ほとんどが休みとして出す。
このショッピングセンターの警備員の実態は、警備会社の正規職員は設備関係だけで4人。一方、非正規社員は約20人。
昼間の警備には、絶対に8人の非正規警備員が必要。夜勤も同様8人は必要。即ち、毎日、16人が必要なのだ。しかし、現実、全部で20人しかいないのだ。
そこで会社は考える。当直制度である。当直制度とは、24時間勤務である。
当直責任者として、正規社員は、24時間勤務をやらなければならない。正規社員は4人いるが一人はエライ?せいか、当直はしない。そうすると正規社員は、週2回のペースで当直をしなければならない。
話を暮れと正月勤務に戻そう。かくして、第2次調整に入る。
先ず、気の弱そうな人から説得工作が始まる。続いて、独身男性、最後には人間関係?
もう一つ、大事なポイントは割当制度。実はそんなものは無いのだが、平等の精神で説得するのだ。
トッパ先生は、長い人生で経験済みゆえ、早々と暮れや正月に勤務できない旨を文章で書き提出。この文章により、平等の精神による割当制度も蹴散らしてしまう。
トッパ先生は中学の国語の先生だったのだ。