横浜こぼれ話は筆者の佐藤栄次が随筆や意見や考えを書いておりますので、一度見に来てください、

一歩ずつ

昆虫採集を趣味にしている人が山岳部の連中と一緒に山に登った。

彼は、山に登りながら昆虫採集に動き回っている。
運動量は彼のほうがはるかに大きい。
しかし、面白いことには、山岳部の連中のほうが先にバテテしまったという。

これは、山岳部の連中は山登りを目的としているからだ。
目的地にこだわると、登山はあまり楽しくない。
それは、登山ばかりでなくたびについても同じである。
旅は、目的地にこだわらぬほうがいい。
旅の楽しみは、目的地に到達するまでの過程にある。

仏教の言葉に”方便”がある。
この言葉はサンスクリット語の”ウパーヤ”の訳語であって、本来の意味は、”近づくこと”である。
一歩一歩目的地に近付いて行く歩みが”方便”である。
その方便を大切にしろ、というのが仏教の教えである。

「嘘も方便」とは、目的に近付かせるために嘘をつくこともある。

人生において、大事なのは毎日毎日楽しい生活をすることである。

あまり、目的地にこだわるような考え方をやめにしたいものだ。