トッパ先生、二日目の朝、昨日よりも早く研修所に入った。
そこには、すでに三人の研修生が来ていた。
「あんた達、早いねェ。一体どこから来ているの。千葉の木更津から?えーッ!それは遠いね?あんたは宇都宮?それも遠い!あんたは赤羽?それは近いは!木更津も宇都宮もどうしてそんなに遠くから?ああ、そうか、そっちの方は働く場所がないのか!それは安部内閣の問題だわ、ホンマに。」
そんな話をしていたら、続々と仲間が入ってきた。
「みんな、よく来たね。辛い1日になるけど、頑張ろう。なんとか楽しい講義になるように、面白い質問をするからね」
すると、昨日と違う講師が入ってきた。
「私は、昨日の先生とは違って、あまり、講義は上手くなく、退屈すると思うよ。」
それを聞いた、みんなは、「えーッ!」
昨日の先生も、面白くなかったのに、それ以上に面白くないとは、と思ったのだ。
確かに、この先生は法律のことばかり。これは面白くない。そう思ったトッパ先生、突如立ち上がり、
「先生、私は、余りにも年を取りすぎて、トイレが近いのです。ちょとお失礼してもよろしいでしょうか」と部屋を出て行った。
それにつられて何人かも従った。そのため10分の休憩となった。
トッパ先生、実のところ、警備の本質を1日で知ってしまったのだ。
警備員とは、別に警備の役割をする必要がないのだ。田んぼの案山子(カカシ)でいいのだ。
田んぼの稲を食べに来るスズメを捕まえる必要はないのだ。ただし、ショッピングモールや会社の警備をしている格好だけをしていればいいのだ、ということを悟ってしまった。
警察からの天下り先生も、別にそんなカカシに法律など教える必要はないのだ。
ただし、警備員になるためには、20時間の研修は義務付けられているのだ。
そんなことを知ってしまったトッパ先生は、小便を思いつき、自分なりに時間稼ぎを始めたというわけ。