横浜こぼれ話は筆者の佐藤栄次が随筆や意見や考えを書いておりますので、一度見に来てください、

この松が真っ直ぐに?

一休和尚の話である。

一休和尚が旅をしていると、見事に曲がった松の木を見つけた。
そこで、村の衆を集めて、
「誰か、この松をまっすぐに見た者にご褒美をあげよう」、
と投げかけた。

村の衆は、何とか松の木を真っ直ぐに見ようとして、ぐるぐる松の木を廻ってみるが、どうしても真っ直ぐには見えない。
そのうち一人の村人が、こう言った。
「いやぁ、この松、どう見ても曲がりくねっているなぁ・・・」

それを聞いた一休和尚は、
「正解!お前さんの見方こそが、この松をまっすぐ見たものだ」 、
と言われた。

このことを通して、一休和尚は村人のあるがままに見ることの大切さを教えたのだ。

物事をあるがままに見ることこそが禅の教えであり、仏教の教えであるのだ。

では、どうのようにすれば我々は物事を真っ直ぐに、見ることができるのか?
先ず、先入観を捨てること。
全てが素晴らしいと肯定できた時、初めて物はあるがままに見えるのである。

とかく人間の眼は変な先入観によって曇っている。
それで物が歪んで見えるのだ。
先入観を捨てて、目のレンズの曇りを取れ!
と、一休さんは教えてくれたのだ。