横浜こぼれ話は筆者の佐藤栄次が随筆や意見や考えを書いておりますので、一度見に来てください、

お腹が空いた。

そこでご飯を食べる。
初めは美味しいと言っても、それほど食べられるものではない。
もう腹いっぱいで、その欲望は消えてなくなる。
これを自然的欲望と言う。
しかし、お金が欲しい、あれが買いたいと言った欲望は永遠に大きくなるばかりでなくなることはない。
これを奴隷的欲望という。

 

金が生まれる財布

 

こんな財布があれば、もう最高と思っている人が多い。
これはロシアの寓話。
ある時、魔法使いが一人の男に近づいて、この財布を渡す。
この男が財布を開けると、中に1ルーブルの硬貨がある。
その硬貨を取り出し、財布をしまう。
すると、魔法使いが、「もう一度、財布の中を見ろ」と言う。
男は財布を取り出し、財布の中を見ると、また、1ルーブルがある。
男はこの瞬間、何度も何度も、財布を開くと、ザクザクと1ルーブルが出てくる。
一晩、この作業を続けると、部屋の中は1ルーブルでいっぱいになる。
そこで、魔法使いはこの男に言う。
これらのお金は、そのままでは使えない。使いたい時は、その財布を川に投げ捨てなければいけない。
男は、3日間、1ルーブルを出し続け、財布を川に捨てに行く。
いざ川に向かってこの財布を捨てようとするが、なかなか捨てることはできない。
そのまま、捨てずに帰ってくる。
パンは自分の金で買ってこなければならない。
1ルーブルはどんどん溜まっていくが、自分のお金は無くなってしまった。
腹は減るが、1ルーブルを出し続ける。
結局、この男は、この財布が捨てられなかった。
そして、ある朝、この男は餓死したまま、発見された。