横浜こぼれ話は筆者の佐藤栄次が随筆や意見や考えを書いておりますので、一度見に来てください、

今月14日、シンガポールで安倍晋三首相がロシアのプーチン大統領と北方領土について密談したとニュースが入ってきた。

今年9月12日、ウラジオストクで開かれた「東方経済フォーラム」全体会合で突然、ロシアのプーチン大統領は、日本とロシアの平和条約について「年末までにいかなる前提条件もなしで締結しよう」と提案した。すなわち、北方領土問題を事実上棚上げし、平和条約締結を先行させようとの提案であった。その時、安倍首相は突然のことゆえ、何も言えなかった。

帰国後、この突然のプーチンの提案はまんざらでもないと考え始めたのであろう。

その結果、安倍首相とロシアのプーチン大統領は今月14日、シンガポールで会談し、数十年に及ぶ領土問題の解決に向け、「今後3年以内の平和条約締結」に向けて、交渉を加速させることで合意したというのだ。

安倍首相は、
「1956年の日ソ共同宣言を基礎として、平和条約交渉を加速させることで合意した」と説明。
日ソ共同宣言には、平和条約締結後に北方四島のうち、歯舞群島と色丹島を日本に引き渡すと明記されているのだ。
安倍首相は、「戦後70年以上残されてきた課題を次の世代に先送りすることなく、私とプーチン大統領の手で必ずや終止符を打つという強い意志を大統領と完全に共有した」と述べ、年明けにもロシアを訪問し、プーチン氏と会談を行うことでも一致したと語った。

えらく、興奮気味で、如何にも歯舞群島と色丹島が返ってくるかとの印象を与えた。

しかし、その二日後、プーチンが経過説明と補足説明を行った。

この提案は、安倍首相が言い出したことで、
「そもそも、1956年の日ソ共同宣言を破棄したのは日本であり、歯舞群島と色丹島の二島を引き渡すといっても、この日ソ共同宣言では主権はどちらにあるとも記載はない。よって、この度の二島引き渡しにおいても、主権まで日本に属すということでもない。」と安倍首相の話とは大分違うことがわかる。

密談というものは、いつもそういった双方の説明の違いが出てくるもの。

密談などをやってはいけないのだ。

歴史上の立派な人々は、密談はしないし、堂々と正論を吐き続けるものなのだ。

もともと、国民には四島一括返還が日本の一貫した主張だと安倍首相も歴代首相も行ってきたではないか。

どうして、その事を貫くことができないのか。

今、テレビではいろんな専門家、学者や批評家がさも、二島返還しか現実味がないと言っている。

無責任な連中だと思う。

正論を通し抜け、下手な駆け引きはやってはいけないのだ。

ロシアの臨む経済協力はしてもいいが、平和条約締結前の四島一括返還は変えるべきではない。

昨日は、オーストラリアからパプアニューギニアに行ったとニュースで言っていたが、今国会は移民問題で大変な時期ではないか。

家内が、「どうして、シンガポールからオーストラリアに行き、また、パプアニューギニアなんかにいくんだろうね」、と素朴な疑問を投げてきたから、
「マイレージを貯めるためじゃあないのかな」
と答えると、
「えーっ?マイレージがもらえるの?随分貯まるだろうね」
と羨ましそうに言っていた。