横浜こぼれ話は筆者の佐藤栄次が随筆や意見や考えを書いておりますので、一度見に来てください、

あれは、私の長女の”静香”が幼稚園に通っている頃のことだろう。

お盆の墓参りに、みんなで出かけた。

山川の細い道を、昔話をしながら楽しい墓参り。その時の話である。

大分から来ている私の兄、兄弟姉妹からは親しみを込めて、”ヒドオチャン”、戸籍上では秀夫君がいつものように、冗談半分、真面目な話半分に、世間話をしていた。

ところが、静香が、ヒドオチャンの首から掛けている笛を見つけて、

「おじちゃん、何故、笛を持っているの?」と聞いた。すると、ヒドオチャンは、

「ああ、これか?これはな、地震があったりして、建物に閉じ込められた時に、助けてくれーっと言うよりも笛を吹いた方が、遠くまで聞こえるじゃろうが、、、」と教えた。

これ以降、静香にとっては、ヒドオチャンは彼女の”笛の友”になったのだ。

この笛の友が今朝、三時に息を引き取ったという訃報を受けた。残念だし、悲しい。

ヒドオチャンは我が家の永遠の優等生。なぜなら、亡くなったお袋がそう思っていたから。

小学校、中学校、高校と学業優秀、品行方正、スポーツができ、その上、親孝行ときているから、誰も敵わない。

厚狭高から、当時の花形企業だった八幡製鉄、今の新日鉄に入社した。また、入社後も、定期的に下関に住んでいた我々の所に返って来て、お袋に、生活の足しにとお金を置いていったらしい。

私が小学生の鼻垂れ小僧の頃、お袋にヒドオチャンを見習えとよく言われたものだ。

でも、このヒドオチャンも残念ながら、酒好きという面を持っていた。酒好きが何が悪いか?と思われる御仁も居られるから、一つの事例を紹介しましょう。

会社帰りに一杯、引っ掛けて帰るのが好きなヒドオチャン、その日は気分が良かったか、悪かったか知らないが、少々飲み過ぎて、家に帰る途中、ついつい道端に寝てしまった。

朝、白々と明けてくる時、足の痛みで目が覚めたという。何と足の甲のところにタイヤ痕が残っていたというのだ。オーマイゴッド‼️

親愛なるヒドオチャンに捧ぐ。今頃はお袋と親父と先に逝ってしまった兄弟達に会っていることだろう。冥福を祈る

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