わが祖先はアフリカの大地に生活をしていた。
しかし、火山の影響で不毛の砂漠になったアフリカを出なければならなくなった。
p>シリアの洞窟の中に当時の我々の祖先のホモ・サピエンスの頭蓋骨が沢山発見された。
ところが、その中に、ネアンデルタール人の頭蓋骨も発見された。
当時のネアンデルタール人はヨーロッパを中心に生きていた。
ネアンデルタール人の脳はホモ・サピエンスの脳より少し大きかったという。
体も一回り大きく、身長は2メートル以上あったであろう。
そのため、彼らはやり一つで猛獣と戦っていた。
しかも、彼らはヨーロッパから南下を始めていた。
丁度、北上を始めたホモ・サピエンスとシリアのあたりで衝突をしたのであろう。
体力の差で初めは、ネアンデルタール人には歯が立たなかったようだ。
しかし、その洞窟から、ある投擲器(とうてき)が発見されたのだ。
これは、槍を遠くに飛ばす器具である。
体の小さい、クロマニオン人は猛獣に立ち向かえなかったので、より遠くから、槍を飛ばさなければならなかった。
実はこの投擲器の発明が総てを変えていったのだ。
今までは、逃げ足の速い動物を捕まえることが出来なかったが、この投擲器で鹿やウサギなどを捕まえることが出来た。
また、ネアンデルタール人との争いにも勝利を収めたのだ。
この投擲器は、アジア、オーストラリア、北米、南米でも発見された。
今もなお、オーストラリアのアボリジニ部族は使っている。
また、この投擲器は、部族内で罪を起こした者への制裁に使ったようだ。
この投擲器を使うことで、部族の規律を強化し、部族ののサイズを数千人の規模にまで拡大させたのだ。
また、集団の拡大は、様々な道具を生み出す能力を飛躍的に向上させる原因となっていったのだ。
脳のサイズと集団の大きさは不思議にも合致するという論文も出ている。
人間の進歩は、偶然である。
しかし、重要なポイントは、体力的にも、知能的にもネアンデルタール人に劣っていた、我々の祖先のホモ・サピエンスが結果的には新しい道具を造りだし、勝利をするのだ。
我々も弱い人間こそ勝利者なのだということを、肝に銘じておこう。