横浜こぼれ話は筆者の佐藤栄次が随筆や意見や考えを書いておりますので、一度見に来てください、

私の家内は朝が早い。

朝4時前には必ず起きている。

私は昔から夜型なので、寝るのは大体1時過ぎ。

歳をとってきた今は、夜、トイレに起きるのは1回か2回。

2回目にトイレに行く頃には、家内は既に朝食の準備をしている。

そのため、朝の食事は早い時は5時過ぎ。

遅くても6時。

今日も同様、6時に朝食が始まった。

その時の会話で、

「静香から、お父さんの誕生日祝いは何がいい? とLINEで聞いてきたの。だから、何もいらないわよ。それよりも一緒に食事をしましょう、と言っておいたわ。」

と家内が言った。

私は何気なく、娘は気を使っているんだな、と思いつつ、

「バンドが欲しい」、とボソッと呟くと、家内から、

「それは私が買ってあげるわよ。お父さんが一緒に行かなければサイズが分からないの。」と、軽く一蹴されてしまった。

いつものように、食事が終わると、私は、再び床に着き、ラジオを聴き始めた。

そして、いつものように、眠りに入った。

場所は、見覚えはないが、我が家である。

そこには、お客が来ていて、そのお客の対応をお袋がしている。

そのお客が、お袋に受領印を押してくれと言っているのである。

私は、そのお客を別室に呼び出して、受領書の内容を確認しながら、受領印を押そうとしたら、そこに、私の6歳上の兄貴が現れ、
「これを置いとくから、お袋の誕生日祝いに何か買ってやってくれ」、と言って、金の入った封筒を渡してきた。

そして、その兄貴は、すぐに家を出て行った。

すると、今度は、親父が現れ、

「お金をお前の上着の右のポケットに入れておいたから」、と言って、すぐに姿を消した。

その瞬間、私は夢から覚めたのだ。

私がぼんやり見ていると、壁に掛けてある写真の親父とお袋が私の方を見ているのに気が付いた。

写真の横の時計を見ると、午前9時を少し回っていた。

家内は、仕事に出て行ってしまって、家には誰もいない。

私の親父とお袋が亡くなってから、もう35年にもなろうか。

そして、夢に現れた私の兄貴も3年前に亡くなったのだ。

なぜ、こんな夢を見たのだろうか?

夢には私の家内も子供達もいてワイワイしているのだが、姿と言葉は何故かこの亡くなった三人のものしかはっきりしていない。

確かに、私の上着の右ポケットの中に親父がお金を入れて行ってくれたんだろう。

いつの日か右ポケットの中のお金に触ることがあるだろうと思うと、なぜか嬉しい。

しかし、この夢は一体、何を意味するものか私にはわからない。