横浜こぼれ話は筆者の佐藤栄次が随筆や意見や考えを書いておりますので、一度見に来てください、

3日前の朝、起きてみると、足のかかとが痛む。

いつもの通風の発作が出てしまったのだろうと思った。

幸い、痛み止めもあるから何とかなるだろうと思っていた。

しかし、通風になるような原因は見当たらない。

ビールを飲んでいるわけでもない。

通風に悪いようなものを沢山食べたわけではない。

しかも、いつも通風は左足の親指の付け根を中心に腫れ上がってくる。

それでも、かかとの痛みも過去何度かあった。

初日、2日目と医者に行くタイミングを失ってしまった。

3日目には、やはり、尿酸値を下げる薬が必要なので、医者に行くことに決めた。

昨年末にオフィスを移転したこともあり、いつもの医者のところには行かず、今のオフィスの最も近い所に行くことにした。

“いまむらクリニック”というところ。

受付で聞いてみると、このクリニックは今年5月にオープンしたと言う。

私の名前が呼ばれると、優しそうな先生が、私の症状を聞く。

通風だというと、早速、採血に入った。

型どおりである。

次にレントゲン写真を撮ってみようと言われた。

私は意外であった。

足の症状を見て、ほとんどの先生は、通風と断定してかかった。

尿酸値も私は比較的高く6.8位であるから、そう診断されても不思議ではない。

しばらくして、私は診察室に呼ばれて、次のように聞かれた。

「今までに、同じようにかかとが痛くはありませんでしたか?」

私は、

「何度かあったと思います」、と答えた。

すると先生は、レントゲン写真のかかとの部分を指し

「このような突起物が出ていますよ。この突起物に筋肉が当たり炎症下模様です」

と説明した。

私はいわれた部分を見ていると、足のかかとの骨から、なんと角が生えていた。

長さ約1cm。

上向にとがったものがあった。

私は驚いた。

いつの間にこんなものが?

ジーッと考えた。

そう言えば、むかしから長距離歩くとかかとが痛んでいたことを思い出した。

また、靴によってはかかとが痛くなったこともある。

全ての原因が“足の角”とは、本当にビックリした。

今までの医者はなんだったのか?

単に表面的に見て、診断していただけ。

それに比べて、先入観を持たず、基本に忠実に診断したこの先生を改めて尊敬したい。

今までは薬を多めに出してくれていたが、この先生は、採血の結果が出なければ、必要な薬は出せませんと言う。

炎症を抑える薬を出しておきましょう、と。

その結果、薬代は700円。

今までの薬代は大体、1300円~1600円位していた。

世の中には立派な医者がいるものだと感心をした。

しかし、どうして“足の角”が生えていたのだろう?

こんな動物見たことない。

この記事を書いたのは平成22年8月8日(日)のこと。足の角

素早く対応してくれた先生に敬意を表して書いたもの。

しかし、この話には後日談がある。

念のためと思い、横浜の労災病院に行って、診てもらった。

診断はゼロからスタート。

足の踵のレントゲン写真も撮ってくれた。

そして、いよいよ、先生の診断結果の発表である。

確かに、足の炎症はあったであろうが、それが“足の角”に原因があったとはとても思えないとレントゲン写真を見せてくれて説明してくれた。

この“足の角”は足の腱が写っていて、誰も写るもので、あなた特有のものではない、と軽くかわされた。

これも、後で分かった話だが、“いまむらクリニック”の先生は専門が内科・泌尿器で外科は専門ではなかったようである。

結局、そんな訳で私の“足の角”は幻に終わってしまった。