横浜こぼれ話は筆者の佐藤栄次が随筆や意見や考えを書いておりますので、一度見に来てください、

日本政府は本日26日、クジラの資源管理を担う国際捕鯨委員会(IWC)からの脱退を発表した。

近年、IWCでは反捕鯨国はクジラの捕獲を一切認めないため、日本は商業捕鯨の再開が困難と判断した日本は、IWCの正加盟国から離脱することを決断したのだ。

現在、IWC非加盟国のカナダやインドネシアも商業捕鯨を行っている。

脱退の効力が発生する来年7月以降、日本の領海と排他的経済水域(EEZ)に限定し、商業捕鯨を開始する予定。十分な資源量が確認されているミンククジラなどを捕獲し、市場に日本近海産の鯨肉を供給する。北海道釧路市や和歌山県太地町などが捕鯨拠点となる。

日本の今回の脱退に対し、欧米諸国などが国際社会での圧力を高めるのは必至。

ただし、南極海での調査捕鯨に反対してきたオーストラリアやニュージーランドは、南極海から撤退したことで、従来の強硬姿勢を緩和させる可能性がある。

一方、シー・シェパードなどの反捕鯨団体はあらゆる手段で妨害活動を強める恐れがある。

そんな中で、鯨を食べて育ってきた一人の日本人として、冷静に考えてみたいと思う。

私は、現在、69歳。小学生時代は下関で育った。下関は漁港であったため、市場には色々な魚が売られていた。その中に、クジラも売られていた。しかも、ブロックで。そのブロックのクジラ肉は冷凍で売られていた。このブロックで買ってきたクジラ肉は刺身で食べるのだ。この味は今でも忘れられないほど美味しかった。この刺身はその時以来、口にしたことはない。また、クジラのステーキも美味かった。我々一般の庶民は牛肉のステーキは当時食べたことはない。ステーキと言えばクジラ肉である。多分、一人前200〜300gの大きさだったと思う。

我が家が特別金持ちな家庭ではなかったので、多くの下関の市民は食べていたであろう。

ブロック肉がない時には細切れ肉を買ってきたようで、これは塩焼きで食べた。

クジラの肉はそれだけでなく、おばいけ(尾羽毛)を食べていた。このおばいけは、鯨の肉の中で最も美味しいとされる、身と尾の間の部分の肉を指し、刺身として、そのまま酢味噌などをつけて食べていた。しかし、これは大人の食べ物で、子供の私は好きではなかった。

私が好きだったのはクジラのベーコン。これはステーキの次に好きで、高校時代弁当のおかずはいつもクジラのベーコンのみ。私の家が貧しかったからではなく、本当に、飽きずに美味しく食べられたのだ。

なお、小学校・中学校の給食は定期的にクジラ肉だった。この肉も子供の私には美味しく感じられた。

かくして、私はクジラ肉を食べて育ったのだ。

私は、大学時代に岡山で過ごし、就職は川崎市内。そのあたりから全くクジラ肉とは縁がなくなった。

結婚して、家内が私に、「何が食べたい?」と聞かれたので、私はクジラのベーコンが食べたいと言うと、家内は驚いたように、「クジラ?」と問いただした。

家内は、クジラ肉など食べたことはないのだ。「私のところでは、イルカ肉は食べるがクジラ肉は食べない。」と補足した。

私は、逆に、「イルカ?」と驚いた。

家内は伊豆出身で、静岡ではイルカ肉を食べるのは普通だと言っていた。

しかし、あれから60年も経った今、クジラやイルカを食べたいかと言われれば、もうそんな気持ちは全くない。現代は食べるものの種類は豊富で、和食、中華、洋食、イタリアン、マクドナルド、ちゃんぽん、ラーメン、ロシア料理、ベトナム料理、ブラジル料理やメキシカンと色々あって、特別、昔食べていたものに郷愁を覚えることもなくなった。

そんな中、安倍内閣はIWCの正加盟国からの離脱を決断したのだろうか。

安倍内閣の方針は国際協調ではなかったのか?ほとんどの国民がクジラ肉を欲していないのにわざわざ、国際機関からの離脱がなぜなされたのか?

これこそ、国民に説明する責任はあると思う。