横浜こぼれ話は筆者の佐藤栄次が随筆や意見や考えを書いておりますので、一度見に来てください、

カタツムリからナメクジへ

カタツムリからナメクジへ

松尾芭蕉門下の優れた俳人を”芭蕉の十哲”と呼ぶ。 内藤丈草はその一人。 芥川龍之介は、芭蕉門の俳人のうち、この丈草を最も好んだという。 うずくまる薬の下の寒さかな 芭蕉は死の直前、お伽につめかけた門弟たちにそれぞれ句を作らせた。 その時の丈 …

人を変える力

人を変える力

フランスの作家ユゴーの『レ・ミゼラブル』に感動の場面があるのをご記憶だろうか? 一切れのパンを盗んだがために19年も牢獄で過ごさねばならなかったジャン・バルジャンは 、 出獄の直後、ミリエル司教の教会に泊めてもらう。 ミリエル司教はこの前科 …

一蓮托生

一蓮托生

我々は、テレビの影響か、この一蓮托生をいい意味でとらえていない。 しかし、本当の意味は全く違う。 仏教においては、蓮の花、即ち、蓮華は聖花である。 仏像の多くが蓮華をかたどった台座(蓮華座)に安置される。 蓮が泥の中に育ちながら、しかも泥水 …

汝の敵を愛せ

汝の敵を愛せ

現実問題、我々は、敵を愛し、自分を迫害する者のために祈れるだろうか? しかし、キリスト教では、これは神の命令である。 ところで、面白いことに、仏教では、「愛してはならない」と教えている。 矛盾しているように思えるが、実はキリストの愛と仏教の …

阿弥陀仏の誕生日

阿弥陀仏の誕生日

お寺が経営する幼稚園で、4月8日、花祭り(灌仏会・・・かんぶつえ)の行事を行った。 その時、幼児達に、 「4月8日はお釈迦様の誕生日ですよ」 、と教えた。 ところが、一人の園児が、 「先生、阿弥陀様の誕生日はいつ?」 、と質問してきた。 先 …

三歳の童子でも知っている

三歳の童子でも知っている

中国・唐の時代の禅僧に道林という人がいた。 この人は、杭州のの秦望山で修業をしていたが、老松の上に巣を造り、その巣の中で座禅していた。 だから、人々は彼に、鳥? 和尚(ちょうかおしょう)と字を付けたという。 この時期、詩人の白楽天が刺史(知 …

迷えば凡夫

迷えば凡夫

江戸中期の石門心学者に手島堵庵(てしまとあん)がいる。 京都の商家に生まれた堵庵は18歳の時、石田梅岩について心学の修業を始め、20歳で開悟した。 その堵庵の教えは、 ――私案なしの説―― と呼ばれている。 私案なしというのは、我々が何かを …

石は沈み、油は浮く

石は沈み、油は浮く

釈迦の所に一人の男が来て、こんな質問をした。 「バラモンたちが言うには、俺たちがご祈祷すれば、死者は天界に生まれ変われる。本当だろうか?」 、と。 バラモンとはインドのバラモン教の僧侶である。 その質問に、釈迦は直接答えず、逆にその男に質問 …

人を殺せと言われたら

人を殺せと言われたら

ある日、親鸞が弟子の唯円に尋ねた。 「そなたは私の言うことを信じるか?」 唯円は、「もちろんです」 と答えた。 この唯円は「歎異抄」 を書いた人である。 親鸞はさらに続けた。 「それでは、そなたは私の言うことに背かないか?」 もちろん、唯円 …

瓦を磨いて鏡にする

瓦を磨いて鏡にする

中国唐の時代に有名な禅僧で馬祖道一(ばそどういつ)がいた。(708年に生まれ、80歳で没す) この坊さんは、「虎のごとく見、牛のごとく動く。舌を伸ばせば、鼻の上までのばし、足の裏には紋があって字を書く」 と言われていて、実に魁偉な容貌だった …