横浜こぼれ話は筆者の佐藤栄次が随筆や意見や考えを書いておりますので、一度見に来てください、

天海の柿

天海の柿

江戸前期、天台宗の僧で天海という人がいた。 この天海は、徳川家康、秀忠、家光の三代の将軍に仕えた。 宗教的顧問役のような存在で、「黒衣の宰相」とも言われている。 1622年天海は江戸城の艮(うしとら:東北)の方角にある上野忍ヶ岡を幕府から拝 …

禍転じて福となす

禍転じて福となす

ある日、ある家に一人の美人がやって来た。 豪華なドレスを着て、気品のある女性だ。 彼女が、家の主に自己紹介をする。 「私は吉祥天。あなたに福徳を授けに来ました。」 主は福の神の到来とあらば、と家に招き入れた。 ところが、彼女の後ろから醜女で …

客なれば、心を残さず

客なれば、心を残さず

沢庵漬けで知られる沢庵和尚は幕府の宗教行政に抵抗して、流罪となった。 しかし、その後、徳川家光将軍の帰依を受け、品川に東海寺を創建してそこに住んだ。 ある日、家光がこの東海寺にやって来る。 禅寺には将軍に献ずる珍しい物などない。 そこで、沢 …

なぜ、坊さんは肉を食べない?

なぜ、坊さんは肉を食べない?

内心では欲しくてたまらないのに、一応うわべでは辞退する。 この行為を「猫の精進」または、「猫の魚辞退」という。 精進とはもともと仏教の言葉で「努力」のこと。 特に、出家して仏門に入り、ひたすら修行に励むのが精進であったが、後には単に肉食しな …

カルネアデスの板

カルネアデスの板

古代ギリシャの哲学者にカルネアデスがいる。 彼が提起した問題に ”カルネアデスの板”というのがある。 洋上で船が難破した。 ふと見ると板が一枚浮かんでいる。 だが、その井谷は漂流者がつかまっている。 その板にはあいにく一人しかつかまれない。 …

4月13日は十三詣

4月13日は十三詣

4月13日は十三詣(まいり)。 4月13日は十三詣(まいり)。 当年13歳になった男女が虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)を祀る(まつる)寺院に参詣する日である。 京都の法輪寺で1772年から行われた行事といわれている。 虚空蔵菩薩は虚空のごと …

”啐啄同時”(そったくどうじ)

”啐啄同時”(そったくどうじ)

禅の言葉に”啐啄同時”(そったくどうじ)というものがある。 親鳥が抱く卵が孵化する時、卵の中の雛が内側からコツコツとつついて合図する。 それが”啐 ”である。 それと同時に、外から親鳥がコツコツとつつく。 これが”啄”である。 この”そつ” …

お血脈

お血脈

松本を6時前に出かけて行った。 約1時間、長野道を飛ばした。 長野の朝は、ひんやりとしていた。 我々がついた時には、もうすでに、駐車場に入れるための長い車の列がいたるところにできていた。 私は知り合いの会社の駐車場に入れさせてもらった。 3 …

優しい人

優しい人

時はまさにワールドカップが始まったその翌日の出来事。 私は家内と昼食に出かけた。 時には美味しいそばでも食べようと、あざみ野まで出かけた。 天丼と盛りそばセットを我々は注文した。 待つこと15分、注文した料理が運ばれてきた。久々の天丼。味は …

独り立ち

独り立ち

娘は、ようやく入学が決まった。 この2ヶ月、発表のたびに涙の連続。 親としては励ますが、それも甲斐なし。 終いには、受験結果を見るのが恐怖になるほど。 自分としては、どこかにひっかかるだろうと軽く考えていたようだ。 しかし、そうは簡単ではな …