横浜こぼれ話は筆者の佐藤栄次が随筆や意見や考えを書いておりますので、一度見に来てください、

26歳で受けた仕打ちを話してみよう。
人事問題で、これは誰しもが経験することで、大体は渋々受けてしまうのだが、私は闘ったのた。
その時の会社の手口を書いてみることにした。

本件は一部書いたが、簡単に経緯だけは説明させていただく。
私は入社して工場で設計をしていた。
たまたま、我々の従事していた健診システムがポーランドに輸出されることとなり、コンピュータのメインティナンス要因として入社三年の私が選ばれて行くことになった。
これは別に名誉なことでも何でもない。設計部の者は誰も行きたがらないから、私にそのお鉢が回ってきただけの話。
ポーランドに行く前に、私の所属は医用機器事業部から輸出部となった。
ところが、訳あってポーランドからの注文がキャンセルされてしまった。
しかし、私の人事はもう覆ることはなかった。
輸出部の部長や課長は私を慰めつつも、輸出部の一員になるべく、私を諭した。
私は腹を決め、輸出の実務の本や、貿易に必要な英語の勉強を始めた。
当時は、貿易に関しては外国為替管理法という法律があって、今ほど自由ではなかった。
特に外国からの入金や、外国への支払いに関しての規則が厳しかった。また、ソ連や中国などに戦略物資を送ることを規制するココムというものがあり、当時の通商産業省に許可申請を出しに行かなければならなかった。
また、厚生省にも足を運ばなければならなかった。
一方、税関では輸出に際して抜き打ち検査が行われて、急きょ、呼び出されることもあった。
当時は、東芝全体でも輸出増進の方針が出ていた。特に、医用機器事業部は、輸出比率を30%することを目標にしていた。
だから、私が輸出部に移動することは東芝の流れに合っていたのだ。
ところが、一年後、突然、工場に戻れと言われた。
背景は、工場に超音波診断装置の設計者がいないから電子回路の図面の描ける人間が急きょ必要になったのだ。
そのため、私に白羽の矢が当たったのだ。
私は断ったが、上司の課長やら部長が出て来て、会議室で説得される。最初は、私が直ぐにオーケーを出すと思っていた部長や課長だったが、なかなか手強いと思い始めたようだ。
朝一番で私を会議室に呼んで、やんわりと説得を始める。
そうかと思えば、人が変わったように強圧的に迫って来る。こんな状態が2週間も続いたのだ。
ある日は、お前はエンジニアだから、営業にいても出世は期待出来ないとか。
それに対しては、私は出世には何の興味もないと答える。
そう言うと、そんな人間はここにはいらないと言う。
そんなところに、私を移動させたのは一体誰だ❓
また、一年前に私を諭して輸出部に残るように言ったのは誰だ❓
また、ある日は、じゃあ、工場に戻る条件で、将来、主任になるのを2年早めることを約束しようと言う。
私は、その課長に持っていたノートを出し、今言ったことをこのノートに書いて、サインしてくれと言うと、そんなことを書ける訳ないだろうと言うから、書けないことを約束するな。あんたの人格を疑う。
また、ある日は、昼になったから外で飯でも食おうと言う。着いて行ったら、帝国ホテルの地下の寿司屋。
こんな上等な飯をご馳走になってもいいのか❓と言うと、佐藤君とは色々失礼なことを言ったから、今日はご馳走するよ。
その後で、佐藤君、いい加減に今回の件、折れてくれと言う。
そこで、ご馳走になりながら恐縮ながら、その申し入れはお断りすると答えた。
最後は脅しである。
ここまで焦れると佐藤君、将来の人生に傷がつくぞと言う。それには、何の関心もないと答えた。
本当の最後通告は、辞令が出るから、その時は断れないぞと来た。
私は、辞令を出すなら出してみろ。こちらにはそれにたいす対抗措置を考えている、と答えてこのゲームは終わり。
最後には事業部長が出てきて、仕事中、電電公社の地下のコーヒーショップに呼ばれた。
そこでは、私の方から、失礼ながら、事業部長の命令は断った。しかし、この人事は常識的にはおかしい。ちゃんと、人を育ててくれ。私は、一年前に、輸出部行けと言われ、文句も言わずに来た。そして、営業で一人前になるように、日々頑張って来た。その事をちゃんと考えてくれと主張した。
それまで、この事業部長と私の間には何の個人的関係はない。
しかし、私には、何故か、この事業部長を、日頃の主張を聞いていたから、尊敬していた。
実はこのことがあって、私の結婚の仲人をやってもらった。
東芝を辞めても個人的に、家庭を訪れた。
多分、こんな経験は誰もやったことはないと思う。
会社に楯突いたことだけは記録に残っていて、その後、私の上司になった部長はみんな、私に聞いてくる。
お前を課長に推薦するが何故か人事からNOが返ってくると言う。
私は、「サー、どうしてでしょうかね」と答えるだけ。
私が部長になる時の話はもっと面白い。
これも全く違う事業部長からの話。
今回、部長候補が二人いる。一人は問題なく人事部からオーケーが出たが、君はNOだった。
しかし、君を推した人がいた。誰だか言えないが、、、。
ところが、全く別の人が私に囁いた。
君を推した人は東芝の人ではなかった、と。

以上、こぼれ話

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