横浜こぼれ話は筆者の佐藤栄次が随筆や意見や考えを書いておりますので、一度見に来てください、

昨日、和久本さんがパソコンの勉強に来た。
といっても、今の和久本さんの心境はひどく複雑だから、いつもマージャンゲームをしている。

彼女は、なぜか、両親との絆が非常に薄い。
というよりも、両親からずーっと辛くあたられていたと言う。

自分には妹が居るが、両親は妹を溺愛する代わり、自分を娘として扱ってくれなかったと言う。

多分、彼女には他人に言えない過去があったのだろうと推測する。

母親とは昔から意見が合わなかった、と。
また、父親からは、「お前なんか死んでしまえ」、とまで言われたらしい。

妹が生まれるとまもなく、自分はおばあちゃんの家に連れて行かれ、そこで、幼少期から少女期まで育ったという。

ここにも、何か訳ありの何かがあるようだ。

今、和久本さんは65歳くらい。

和久本さんが、ゲームをしている間、私は、社長である家内とお茶を飲みながら、雑談していた。

すると和久本さんは出て来て、
「いいですわね、ご夫婦でお話できるのは・・・」と言う。

「おたくは、いつも夫婦でこんなお話しをするんですか?」

「そうですよ、何でも。最近は特に、これからどんなことをしたいか夢を語り合おうと言っているんです。我々は、若いころに描いた夢を忘れかけている。だから、一つでもかなう夢を実現しようと話し合うんです。」
と家内が説明したら、和久本さんは、
「うちは主人と話をしたことがないわ。うらやましいわ。」

私は和久本さんに、
「もう、われわれ60年生きてきて、子供も育て任務を果たしたようなもの。これからの人生は、『結婚してよかったね、あの世に行くときには、お互いに、ありがとうと言って、別れよう』という具合に、これからの人生こそが大事なことだと思っている。それこそが子供たちに残してやれる宝だと思っているんですよ。」

と言うと、和久本さんは真剣に私たちの話を聞き始めた。

「でも、主人にそんな話をしたら、すぐに茶化されそうな気がする」
と、和久本さんは言った。

「和久本さん、我々はこれから本当の人生を送らなければならない。
自分の心に忠実に、感じたことを素直に話す生活こそが大事。そんな話を茶化すとしたら、その人はまだ、心が成熟していない。でも、和久本さんのご主人は、正直に、素直な気持ちで語りかけたら必ず聞いてくれるよ。」

「・・・・・」

自分の心に正直に、素直な心で話し合うことが必要なのだと、この話をしながら、自分の心に言い聞かせた。