曽我量深(そがりょうじん)という仏教学者が明治から昭和の時代に生きていた。
この人が残した言葉に、
「言葉の要らぬ世界が仏の世界。言葉が必要なのが人間世界。言葉が通用しないのが地獄である。」
これはなかなかいい言葉である。
人間の言葉というものは、ある意味で厄介なものである。
なぜならば、どうしも誤解を避けられないからである。
人間は情報ばかりでなく、意志や感情を伝えねばならないから、誤解が生じるのは当然である。
その誤解が大きくなると、言葉が通じない地獄の世界に陥るのだ。
一方、仏の世界では言葉が要らない。
以心伝心の世界である。
誤解を生むか生まないかで 、仏の世界になるか、地獄の世界になるかということである。
だからこそ、言葉が大切だということである。