横浜こぼれ話は筆者の佐藤栄次が随筆や意見や考えを書いておりますので、一度見に来てください、

ビフテキの食べ方

ビフテキの食べ方

下関にいた頃、少しずつ我が家の生活も文化的になり始めた。テレビは家にあるし、冷蔵庫も氷を入れる方式だがあった。 そんな折、お袋が長門市場で鯨の肉の塊を買って来た。 その日は親父の帰りも日頃より早かった。子供であったため、私にはその日が何お祝 …

夜の棟上げ

夜の棟上げ

我が家の家建ては、山から杉の木を切り出すことから始まった。つい一年前のことである。それは小人の行進で書いた。 切り出した木は依頼していた大工さんに引き渡して、一旦終了。次にやったことは、家の基礎づくり。土地の測量から始まり、基礎打ちは業者に …

秘めたる夢

秘めたる夢

お袋の昔話を聞きたくて、何度か質問をしたことがある。 どうも、出身は昔の厚狭郡山陽町の埴生に福田というところがあり、ここの大地主の楠家に生まれたようだ。そして、ここで育ち中学校までは通ったと言う。 しかし、それからはあまり、話そうとしないの …

頑固者同士の親子

頑固者同士の親子

私は大学に入るまでは、あまり、親父と話すことはなかった。理由は、私は8人兄姉の8番目ゆえ。家にいても口数の多い方ではなかった。 私が中学生になった頃は、兄姉は全て大人になっていて、大人の話題にはついて行けなかったことが大きな原因かもしれない …

ステテコ ランナー

ステテコ ランナー

私が中学三年生の時の話。親父は国鉄を退職して2年目のことだったと思う。 私の通う厚狭中学校の運動会での出来事。 今では中学校の運動会は危険のないように。あるいは、食中毒のないように。あるいは、怪しい人間が構内に入ってこないように・・・、と学 …

あんぱんとお祭り

あんぱんとお祭り

私が下関に行って2年目の秋、小学三年生の時の話。 友達と路地で遊んでいたら、近所のおじさんがやって来た。そして、こう言った。「君たち、明日の厳島神社のお祭りを知ってるだろう。そのシャギリを引っ張ってくれないか?」、と。 友達のほとんどは即座 …

一人寂しく風呂焚き

一人寂しく風呂焚き

シズエ姉の結婚式は私が幼稚園児の時だろうか?昔の家の応接間でやったことをかすかに覚えている。結婚式の意味などわからない私は、泣いているシズエ姉を見て、『可哀想な姉ちゃん。姉ちゃんはもらわれて行くんだ。あの男が人さらいなんだ!この野郎!』と密 …

別れの言葉

別れの言葉

我が家では貧しさのため、大きな不公平を生んでしまった。親父とお袋はそのために大変な苦しみを背負ってしまった。 啓一兄、秀夫兄、久夫兄及びかずえ姉は高等学校に行けたが、貧乏が故に成績の良かったにもかかわらずシズエ姉とキヌエ姉は中学校までしか行 …

田舎の家

田舎の家

田舎はいい。やはり、育った家に帰ると何故か落ち着くものだ。匂いのせいか?あるいは、家から見える景色のせいか?親がいるせいか?育った当時を思い出せるせいか?とにかく、理由は色々あるが、自分の育った家はいい。 私の育ったところは、山口県の片田舎 …

小人の行進

小人の行進

親父が国鉄を定年退職し、目指すは家づくり。しかし、退職金を使い果たして家を建てたりしても後の生活を考えると、そうもいかない。 そこで、親父は出来るだけ自分達で家を建てようと考えたのだ。結論から言えば、今の家は大工仕事以外は全部家族全員でやっ …